うちではお年玉などおじいちゃんおばあちゃんから子どもたちがもらったお金は、ほぼすべて親が管理する方針です。
しかし、最近、下の子がその状況に納得いかなくなってきて、「(お金を)全部自分で持っておきたい。」と言い出しました。
いやいや、あんたの場合は「持っておく」じゃなくて、「使い切る」だけだろ、と思ったので、思い切って「じゃあ、そのお金を使って商売を始めてみるか?」という提案をしました。
せっかく「お金」に興味が湧いてきたわけなので、これを機に、「働いてお金を稼ぐ」ということについて学んでもらおうと考えたわけです。
そこで私が提案したのは「家庭内起業」です。
以前、何かの番組でやっていたのを見て、これは子どもへのお金の教育にちょうどいいなと思って、いつかやろうと思っていました。
「家庭内起業」とは、子どもが家の中で疑似的に起業家として商売をするというものです。
商売と言っても大したことをやるわけではありません。
子どもができることをやるだけなので、家事のお手伝い程度のことですが、それを「お手伝い」ではなく「自分の仕事」として認識し「労働した分の対価をもらう」というものです。
そこで今回、うちでやることになったのは「毎朝、パパとママのコーヒーを淹れる」ということ。
つまり「カフェ経営」をしてもらうということにしました。
「カフェ経営?何それ」と最初は怪訝そうな顔をしていましたが、「お金が稼げるんだよ」と教えると、目を輝かせて「そうなの?!やりたい!」と食いついてきました。
早速、商売の中身の説明からです。
まず、最初にお小遣いから500円払って、インスタントコーヒー140杯分の粉を仕入れてもらいます。
これは、私と妻がいつもスーパーで買ってきているコーヒーを子どものお小遣いで買ってもらいました。
そして、小さいコップ1杯分のコーヒーを、原価3.5円、売価10円で私と妻に販売してもらうことで、1杯あたり6.5円の利益をあげられるという値段設定をしました。
大きいコップの場合は、倍の20円での販売です。
また、お湯の沸かし方や粉の計り方など、コーヒーの淹れ方については私から教わることになるので、それらは開業前のコンサルティングということで、初期投資として100円払ってもらうことにしました。
最後に、カフェ経営を継続していくためには、帳簿をつけてお金の出入を管理する必要があります。
ミスドの福袋でもらったポケモンノートを帳簿として活用します。
左のページが入出金管理簿。お小遣いの総額がわかる表ですね。
今までの何やかんやのお小遣いを足し合わせて、開業資金としては10,000円が積み立てられています。
そこから、初期投資とコーヒーの粉の仕入れが引かれて、現在は9,400円に減っています。
右側のページは、売上台帳。ここに毎回、注文が入ったら明細を記入していきます。
名前の欄は、子どもの請求に応じて私と妻が自分でサインすることにしました。
毎回、硬貨をやり取りするのは面倒なのと、ちゃんと注文をしたという証拠にしています。
今までのところ、1回だけ請求を忘れてしまい、タダで商品を提供してしまったことがありました。
また、コーヒーの淹れ方のマニュアル、原価売価の表、損益分岐点がどこなのか、ということも忘れないようにメモを残しました。
これで5月からとりあえずほぼ毎日、子どもカフェが営業中となっています。
始めてみて良かったのは、まずはお金の勉強というよりも、毎朝早起きできるようになったことです。
私たちが朝食を用意している間にコーヒーを淹れてしまわないと私たちは容赦なく自分で入れてしまうので仕事がなくなってしまうため、目が覚めたら急いで着替えて準備をするようになりました。
また、休みの日にはおやつ時になると、「コーヒーいかが?」と営業をかけてくるなど、意欲的に取り組んでいます。
味が薄かったり、量がおかしかったりする時があるので、まだまだ改善の余地はたくさんありますが、まずは今後もちゃんと意欲的に営業を継続してくれるのか、そこが大事かなと思っています。