2021年2月3日(水)に行われた東京都立桜修館中等教育学校の適性検査の問題分析をしてみました。
目次
適性検査Ⅰ 概要
まずは適性検査Ⅰについてを見ていきたいと思います。
桜修館の適性検査Ⅰは独自問題となります。
2021年の適性検査Ⅰは出題傾向に変化がありました。
2つの文章が与えられるというところは変わりませんが、文章量が倍以上となっています。
2021年の文章出典は、一つ目は、日本語の起源を古代タミル語にあるとしたクレオールタミル語説で知られる大野晋氏による「日本語練習帳」から。
二つ目は、『世界一受けたい授業』などメディアにも度々出演されている日本語学者の金田一秀穂氏による「金田一家、日本語百年のひみつ」からでした。
適性検査Ⅰ 問題分析 解答ポイント
それでは、問題を分析していきます。
問題1、2は、筆者どのようなことが言いたかったのかを数十字で答えよという問題です。
ポイントは、「自分の言葉でわかりやすく書く」という点で、単なる文中からの抜き出しではなく、この文章を読んだことがない相手にも端的に説明がつくような表現に書き直すということになります。
問題3は、二つの文章を読んで、あなたが「言葉」についてどのようなことを考えたのか、自分の考えを4百字以上~5百字以内で述べよという問題でした。
ここでのポイントは、二つの文章に共通する点だけでなく、異なる点に気づき、考察するといったことが必要となってきます。
続いて「段落を分けて」という指示にある通り、相手に自分の考えを正確に伝えるため、伝えたい内容をきちんと整理し、論理だてて文章を構成するということが求められます。
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適性検査Ⅱ 概要
適性検査Ⅱでは、大問1が桜修館独自問題で、算数についての出題となっています。
出題の意図としては、①筋道を立てて考える力②ものごとを深く考える力③正確に計算するために工夫する力、この3つを見ることにありました。
適性検査Ⅱ 問題分析 解答ポイント
それでは、問題を分析していきます。
問題1~3の図形を使った問題では、正確に計算するために工夫する力が求められる問題でした。
ポイントは、問題3で面積を求める際、先に横のマスと縦のマスの数を計算して、両辺を16で割っておくという工夫をすることで、後の計算を簡単にするということです。
問題6についてはゲームでの得点による勝敗を考える問題で、筋道を立てて考える力が求められました。
登場人物の会話から、いくつかの得点パターンを洗い出し、その中から答えとなる可能性のあるものを絞っていくことになります。
各パターンごとに、答えとなる可能性があるかどうか、論理的に成立しているのかをチェックしていくので、表にまとめるなど作業をして確認する必要があります。
この問題は解答にたどり着くまでに時間がかかるため、解き方が分かっても時間的に間に合わなかったという子も多いのではないかと推測され、正答率は低かったのではないかと思います。
適性検査Ⅱの共通問題については以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。