東京都の公立中高一貫校の中でも偏差値が高く、合格するのは至難の業と言われる小石川中等教育学校。
しかし、苦労して入学するからこそ、得られるメリットも非常に大きいと言えます。
今回は、その中でも特に大きなメリットと考えられる小石川の「理数教育の充実」について調べてみましたのでご紹介します。
目次
スーパーサイエンスハイスクールの研究活動
小石川中等は、国が指定する科学分野の推進校、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されています。
SSHに指定された学校では、単なる科学的な知識学習だけでなく、世界で活躍できる人材を育てることが目標とされるため、日本基準ではなく、世界基準での目標と、それを達成するためのカリキュラムが設定されています。
カリキュラムの中身は、先生からの一方的な授業だけではなく、「オープンラボ」と呼ばれる、生徒自身が自由に研究活動に打ち込める場が確保されています。
また、大学や教育機関と連携した課題研究を行ったり、カーディフ大学への海外研修など、最先端科学に触れる機会を学校側が用意してくれます。
これは個人ではなかなかできないことなので、ありがたいですよね。
ただし、今年と昨年は、新型コロナウィルス感染症対策として、こういったイベントは大幅に減少、中止されてしまったため、オンライン上での対応に変更されているようです。
サイエンスカフェの活動
こういったSSHとしての活動を支えているいくつかの事業の一つに、「サイエンスカフェ」という取り組みがあります。
「サイエンスカフェ」は、1年生から5年生の生徒から希望者を募って開かれるワークショップで、基本的には科学技術系分野で活躍されている方を講師として学校に招いて実施されます。
このワークショップを通して、生徒たちは科学技術の知見を深めるというだけでなく、自分のキャリアを考えるきっかけにもしています。
小石川を卒業して大学教授や一流企業、国家公務員として働いている先輩たちが講師として登場することもあり、そういった方々の職業やキャリアの話は、そこでしか手に入らないような貴重な情報だったりします。
世の中にはそんな職業、仕事があるのか、と驚き、自分のキャリアについて視野を広げて考えていくきっかけとなった生徒は多いのではないでしょうか。
このような活動を通して、自分が今、学んでいることを将来どのように活かすことができるのか、何を目標にして今の学びに取り組むのか、そういった先を見据えた視点で勉強することで、より意欲的に目の前の勉強にも取り組んでいくことができるわけです。
昨日紹介した難関国公立大学への合格についても、単に有名な大学だからという理由で進路を選択した子はおそらく皆無で、明確にやりたいことを実現するための手段として、目標を持って大学を選択していると思います。
そういった、自らのキャリアデザインについての考え方を養うことができるのが、小石川中等教育学校へ進学することの大きなメリットだと考えます。