東京都の公立中高一貫校の2017年~2021年までの過去5年間の国公立大学合格率の推移をグラフにして考察してみた結果をレポートします。
数字は現役、既卒生を含んでいます。
合格率は、国公立大学合格者数÷生徒数で計算しています。
各学校の生徒数は以下の数字で計算しています。
実際の各年度の生徒数は若干変動しますので、あくまでも概算での合格率だと思ってみてください。
目次
2017年~2021年 東京都公立中高一貫校 国公立大 合格率推移
まず11校全体では、2017年から2021年まで右肩上がりで数字を上げ続けており、特に2021年は大きく数字を伸ばしています。
それまで前年比1%程度の増加だったものが、一気に3.3%増加しています。
トップ校とボトム校との差は、2020年にいったん縮まりましたが、2021年には再び大きく開きいており、5年間通してみると、差は開きつつあると言えます。
2020年に南多摩が合格率でトップになっているのは素晴らしい成果ですね。
昨日の記事で提示した合格者数より、学校全体の国公立大への合格力を表しているといえるのは、生徒数の違いを差し引くことができる「合格率」の方だと思います。
数字の羅列だと見にくいので、折れ線グラフで推移を見てみたいと思います。
国公立大合格率 5年間の推移
こちらのグラフを見てみると、武蔵は合格者数だけでなく、合格率でも小石川と並ぶ強さを発揮していることが分かります。
2020年までは、その2校と競り合っていた両国は、合格者数では上回っていた桜修館、三鷹に抜かれ、南多摩にもあとわずかのところまで迫られているということで、今回の落ち込みが大きかったことがわかります。
一方、ここ数年で合格者数を大きく伸ばした白鴎ですが、合格率という点では、まだ上位校とは差があることが分かります。
また、2021年に合格者数を急増させた三鷹、立川国際は、合格率の観点で見るとよりその動きが急激だったことがわります
5年間とおしてみると、小石川とその他、という構図だったのが、だいぶ変化してきて、上位組と下位組という2つの層に分かれていきそうな雰囲気があります。
なんとなく、38%あたりがその2つの層を分ける境界線になっているようにも見えます。
この見方からすると、2022年の合格率の平均は、おそらく38%前後くらいになってくるのではないでしょうか。
ただし、一つ気になることがあります。
ここ数年、小石川や九段など、海外大学への合格者数を公表している学校で、その進学率が伸びているということがあります。
今後もこの傾向は他の中高一貫校でも表れてくるのではないかと思われ、それに伴って国公立大学の合格者数、合格率は減ってしまうのではないかと推測します。
これについてはデータが取れないので、できれば各学校がデータを公表していただけないかなと思っています。