公立中高一貫校のはてなブログ

このブログは、全国の公立中高一貫校の受検について考察するブログです。 受検倍率や大学合格実績のデータ収集、適性検査問題の分析、受検勉強法、教材(進研ゼミ、Z会、ブンブンどりむ)や塾(ena、日能研、栄光ゼミ)の体験談口コミを紹介しています。 2019年に都立中高一貫校に合格しました。

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【2022年度版】東京都公立中高一貫校11校の内申点は適性検査の得点に換算したらどうなるのか。

東京都の公立中高一貫校の入試には、適性検査の点数だけでなく、内申点が含まれます。

 

内申点は多いに越したことはないですが、実際のところ、合格にどれくらい影響するのかわからないので、対策も立てづらいところがあります。

 

そこで、今回の記事では、内申点を適性検査の得点に換算したら何点になるのかを検証してみました。

 

さらにそこから、最も内申点の換算点が高い学校、低い学校はどこなのかを考察してみた結果についてまとめてみました。

 

結果は、かなり興味深いものになりました。

 

目次

東京都公立中高一貫校の入試における内申点について

内申点は、国語、算数、理科、社会、音楽、図工、家庭、体育、外国語の各教科ごとに3(優)2(良)可(1)の3段階のいずれかの評価がつけられます。

 

評価点数は、実は東京都の公立中高一貫校で統一されておらず、学校ごとに別々の点数となります。

 

また、3段階ごとの点数の差についても学校ごとに違っており、3(優)がついたときと、2(良)がついたときの点数差が大きい学校もあれば、小さい学校もあります。

(1(可)をとってしまうと、かなりのビハインドになってしまうので、できれば避けたいところです)

 

3(優)を取った場合と2(良)を取った場合で、点差がどれくらいの重みをもつのか、各学校ごとに比率で表したのが以下の表です。

 

東京都公立中高一貫校11校の内申点計算表

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この内申点計算表は、2022年度(令和4年度)入学生の募集要項の内容となっています。

 

東京都公立中高一貫校11校の内申点計算表の比較

まず、3(優)と2(良)の点差の比率を見てみると、最も差が大きいのは2倍で、白鴎、南多摩、立川国際、三鷹、九段となります

 

一方、最も差が小さいのは1.25倍で、武蔵、小石川となります。

 

さらに、この点差に、適性検査を含めた総合計点に占める内申点を割り出すための換算率を掛け合わせました。

 

そうすると、内申点で3(優)を取れずに2(良)を取った場合に、適性検査何点分を失うこととなるのかという換算点が導きだされます。

 

その結果を、各学校ごとに一覧表にしたものが以下の表となります。

 

東京都公立中高一貫校11校の内申点の換算点一覧表

都立中 報告書点 内申点 適性検査得点換算表

換算率の求め方は以下の通りです。

 

白鴎の場合、内申点の総合計は360点で、これを200点に換算しますので、換算率は約0.556となります。

 

この換算率に、優と良の差である「10点」を掛け合わせると、内申点10点分の適性検査

と並べた時の点数である換算点5.56点が導き出されます。

 

これによると、3(優)を一つ落とすごとに最も大きく点数を失うのは、6.94点となる立川国際です。

 

換算点が6点を超えている立川国際、富士は、かなり内申点には注意しておかないといけないということですね。

 

一方、3(優)を一つ落とすごとに最も少ない失数で済むのは、2.22点となる小石川です。

換算点が比較的低い小石川、武蔵、両国あたりの学校は、内申点よりも、適性検査を重視しているということなのでしょうか。

 

いずれにしても、東京都の公立中高一貫校の中で、内申点で3(優)を取れるということを合格基準として最も高く評価している学校は立川国際であり、最も評価していない学校が小石川ということになります。

 

また、この換算点一覧表の点数が大きい順に学校を並べてみると、以下のようになります。

 

立川国際>富士>三鷹>白鴎・大泉・南多摩>桜修館>九段>両国>武蔵>小石川

 

この並び順、なんと偏差値ランキングをほぼ逆さにしたものと一致します。

 

偏差値ランキングを下から並べると、以下のようになります。

 

白鴎<立川国際・三鷹<富士・南多摩<大泉<桜修館・九段<両国・武蔵<小石川

 

若干違いはありますが、ほぼ同じですよね。

 

つまり、偏差値が高い学校であればあるほど、内申点を低く評価しているということです。

 

都立中高一貫校偏差値ランキング2021年9月版 男女別 首都圏模試より

 

偏差値が高い「小石川、武蔵、両国」あたりの学校は、内申点はほぼ満点であることが前提で、合否の決定要因にならないと考えているということなのでしょうか。

 

このあたりの方針については学校に問い合わせてみたいですが、答えてくれるはずはないのでやめておきます。

 

いずれにしても、高偏差値の学校であればあるほど、内申点によるアドバンテージは少ないということですね。

今回の考察は、志望校選びの一つの基準として考慮してもよい結果を導き出せたのではないかと思います。

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