東京都の公立中高一貫校の2015年~2021年までの過去7年間の適性検査受検倍率の推移をグラフにしてみました。
データ分析というにはおこがましいですが、考察してみた結果をレポートします。
目次
2015年~2021年 都立中高一貫校 受検倍率推移 男子
まず男子から見ていきます。
11校全体では、2015年から2021年まで右肩下がりが続いています。
この7年間で、倍率が上がった学校は一つもなく、特に九段の下がり幅が大きく、全体を押し下げている感じです。
一方、あまり変化がないのは南多摩で、4~5倍で落ち着いている感じです。
2019年~2021年は、比較的どの学校も横ばいに近い倍率で推移していますが、唯一、富士だけは2021年に大きく倍率が下がり、初めて2倍台に突入しました。
富士は2021年から募集定員を60名から80名に増やしましたが、逆に受験生は減るという事態になり、結果として倍率が大きくさがり、例年にない受かりやすい年だったといえます。
もしかすると2021年の反動で、2022年は倍率が上がるかもしれません。
同じく募集定員を増加させた武蔵は、受験生も増加したことでそこまで倍率は下がりませんでした。
2015年~2021年 都立中高一貫校 受検倍率推移 女子
続いて女子を見ていきます。
11校全体では、2015年から2021年まで右肩下がりが続いています。
この7年間で、小石川だけが倍率が上がっています。
ただし、それも7年間で2番目に低い数字なので、上がった、という印象は薄いです。
男子と同じく、九段の下がり幅が大きく、全体を押し下げている感じです。
一方、あまり変化がないのは桜修館と南多摩でした。
2019年~2021年は、比較的どの学校も横ばいに近い倍率で推移していますが、2021年は全ての学校が倍率を下げました。
特に、募集定員を増やした富士は、男子と同じく倍率が大きくさがりました。
そして、男子ではあまり下がらなかった武蔵も大きく下がりました。
武蔵は、もともと男女で人気にものすごく差があり、女子の倍率が極端に低かったので、募集定員が増加したにも関わらず、女子は受験生が減ってしまいました。
2015年~2021年 都立中高一貫校 受検倍率推移 まとめ考察
この7年間の男女の受検倍率の変化としては、当初は大きく下がっていく傾向にありましたが、ここ数年で落ち着いてきていたところ、コロナの影響で受験を控える家庭が出てきたからか、再び下がり始めつつある、と言った感じです。
また、高校募集を停止して、中学募集枠を拡大した学校に受験生が殺到するということも起こっておらず、富士と武蔵は倍率が低下しました。
そうなると、2022年に募集枠を拡大する両国、大泉、そして2023年に拡大する白鴎でも、倍率がその他の学校と比べて大きく下がると予想されます。
ただし、難関私立中学との併願校として考えられている小石川で倍率がやや高止まりしているところを見ると、同じく併願校と思われる武蔵、両国、桜修館あたりの学校は、そろそろ倍率低下が止まるのかもしれませんね。