2025年度(令和7年度)の都立中高一貫校受検にあたり、内申点の配点割合から合格可能性を考えたいと思います。
今回は、東京都立大泉高等学校附属中学校について考えてみたいと思います。
都立中受検の内申点は年度により見直しが行われますが、2025年度(令和7年度)の大泉の内申点は昨年と同様の割合、配点となっています。
目次
都立大泉の内申点の割合
得点 | 適性検査Ⅰ | 適性検査Ⅱ | 適性検査Ⅲ | 内申点 | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|
素点 | 100点 | 100点 | 100点 | 540点 | ー |
換算点 | 200点 | 200点 | 300点 | 300点 | 1000点 |
2025年度(令和7年度)の大泉の内申点の配点は上記の通りです。
1000点満点中300点、割合としては30%ということになります。
適性検査が70%なので、内申点の30%という割合は合否の決定要因としてあまり高くないのでは?と思われるかもしれませんが、そうでもありません。
都立中の適性検査は6割~7割を取れれば合格するのではないかと言われているため、700点満点中、実質的に420点~490点が適性検査の合格ライン配点と考えられます。
そうなると、内申点の配点300点というのは、かなり合否に影響を与える割合だと考えられるのではないかと思います。
また大泉は、以前は内申点の割合は20%でしたが、適性検査Ⅱの割合を20%に下げて、内申点の割合を30%に上げたという経緯があります。
この点から、大泉が内申点に以前より重きを置く受検に切り替えてきていると考えられます。
都立大泉の内申点の配点
5年内申点 | 6年内申点 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
3(優) | 2(良) | 1(可) | 3(優) | 2(良) | 1(可) | |
国語 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
算数 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
理科 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
社会 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
音楽 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
図画工作 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
家庭 |
30 |
20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
体育 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
外国語 | 30 | 20 | 5 | 30 | 20 | 5 |
9教科合計配点 | 270 | 270 | ||||
5,6年合計配点 | 540 |
2025年度(令和7年度)の大泉の内申点の配点は上記の通りです。
5年生、6年生の各教科での配点に違いはなく、9教科合計で225点ずつとなっています。
また、9教科の中で配点に違いはありません。
以前は5年生を200点、6年生を225点としていましたが、5年生も225点に引き上げています。
これはおそらく、内申点が持つ「常に学ぶ意欲を持っている子かどうか」という性質に今まで以上に注視し、受検学年以外でもそのような意欲ある行動をとれているのかどうかもしっかりと見て判断したいという意図ではないかと思われます。
また、優=25点と、良=15点、という配点具合は、優を取った場合と良を取った場合で1.5倍の差となっています。
これは、九段含む都立中高一貫校全11校の中ではどちらかという差をつけている方に入ります。
さらに、大泉は以前は優=25点、良=20点という配点具合で、優を取った場合と量を取った場合での差は1.25倍と今ほどの差はありませんでした。
この優良差を広げてきているということは、以前よりも内申点に重点を置く受検となっていると考えられます。
都立大泉の特徴
都立大泉の特徴として、内申点の割合が高いうえ、内申点の優と良の差も大きいため、合否の決定要因として内申点の占める割合はかなり大きいという特徴があります。
このようなことから大泉は、都立中高一貫校の中で比較的、内申点が高い子にとって合格が期待しやすい学校と言えそうです。
ちなみに、大泉が内申点の高い子を求めている理由として考えられるのが、6年後の大学受験において国公立大を目指しやすい子かどうかを判断したいから、ということが挙げられます。
国公立大学への進学には、国数英理社すべての教科をまんべんなくマスターしている必要があるので、各教科まんべんなく内申点を高く保つことができる子がその可能性が高いと判断しているのではないかと思います。
というのも、大泉は、都立中高一貫校の中で国公立大学への合格率は最も低い学校となっており、この点を改善したいというのが学校の意図だと考えられるからです。