都立中高一貫校に合格するためには、受検対策はいつから何が必要なのか考えてみました。
よく言われるのは、4年生から塾に通って私立受験組と同じように基礎学力を高め、5年生から徐々に適性検査型の問題や作文に取り組み、6年生で本格的に過去問演習を行っていくということです。
しかし、本当にこれでいいのでしょうか?
10年前ならいざ知らず、enaのような都立中高一貫校の専門塾が躍進し、ほとんどの受検生が塾での適性検査対策をしたうえで受検するようになった今では、みんなと同じやり方をしていたのではライバルとの差をつけることは困難になっていると思います。
本来、適性検査は学力を測るものではなく、適性を見るためのものですが、合格者に定員がある以上、適性に優劣をつけざるを得ないので、結果として競争を勝ち抜くためのテクニックが塾によって編み出されているという状況です。
塾などの受検専門家によって分析された勉強法で学習するというのは、学習効率の面から考えて積極的に取り入れるべきだと思います。
しかし、受検生の大半がそれを身に着けているとなると、それにプラスアルファとして差をつけなければ、「受検対策」をしただけで、「合格」という結果に結びつかないということになりかねません。
目次
都立合格のための塾以外での対策
合格のためには、塾で教わるテクニックに加えて、あと2つやるべき対策があると私は思っています。
1つは、内申点対策。
2つ目は、「魚の獲り方」を教えることです。
自宅でできる内申点対策
1つ目の内申点対策は、
塾ではやってくれませんが、点数評価に直結する重要な部分です。
都立中高一貫校の合否は、適性検査と内申点の合計点で決まりますが、その割合は、おおむね8:2くらいです。
しかし、これは合計点が満点だった場合の割合です。
適性検査は毎年難化しているといわれており、合格者の平均点数はおよそ6割~7割くらいだと推測されます。
結果、合格者の合計点に占める内申点の割合はぐっと大きくなり、実質的には3割くらいになってくるのではないかと考えます。
そうなると、塾にかけている時間と労力とお金の何割かを、内申点対策に振り向けることを考える必要があります。
内申点の得点は、おおむねどの学校も5,6年生の点数が採用されるため、前段の準備として4年生からは「あゆみ」つまり学校の成績表で「優」や「3」が取れるように親がフォローしてあげる必要があると思います。
具体的には、今日一日、今週などの単位で、学校の授業で習った単元の話を子どもに語らせて、ちゃんと授業を受けられているのかフォローしてあげるといいと思います。
不意に出てくるちょっとした疑問を解決できたりするきっかけにもなるので、学習の振り返りにもなって良いと思います。
また、音楽や体育などの副教科もおろそかにはできません。
できれば遊び感覚で身に着けられるピアノや水泳などの習い事を低学年のうちからやっておくことがおすすめです。
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魚の獲り方を教えるとは?
2つ目の「魚の獲り方を教える」というのは、釣りを教えるということでありません。
自分で勉強する考え方を身に付けさせるということです。
適性検査対策は、私立受験と違って塾講師でも体系的に指導するのは困難な、捉えどころのない勉強となります。
受検生本人が目の前の問題を解くのに今、何が不足していて、これから何を学び、何を理解しなければならないのか。
自分がわかっていないところを自分で発見して自分で解決していく。
これが分かるようになれば適性検査の勉強は飛躍的に進むようになります。
具体的には、塾の先生が「みんな」に向けて言われたことを、「自分」への言葉にチューニングして理解できるようにするとか、分からないところを自分から先生へ質問できるようにするとかができるようになるということです。
これができれば苦労はない、という声が聞こえてきそうですね。
うちもこれができないから困ってます。
ただ、できないからといって親がなんでもかんでもお膳立てしていたのでは、いつまでたっても身につかないので、まずは普段の生活習慣から自分で考えて行動できることを増やしていこうと考えています。
食器は自分で片付ける、部屋の整理整頓は自分でやる、とかから始めて、少しずつ自分で考えて行動できることが増えてきています。
これがそのうち、学習面でも自分で考えて行動するということにつながってくれれば、親としては「魚の獲り方を教えられた」ということになるのかなと思います。
4年生にもなればある程度、自立しなければならないという意識が芽生えてくると思うので、やはり4年生というのは都立中高一貫校へ合格を目指すのには大切な時期なのかなと思います。
以上、都立中高一貫校へ合格目指すなら、4年生からの内申点対策、魚の獲り方を教える、ということを実践していくことが大切ではないかという結論に至りました。