都立や公立中高一貫校受検の塾の新年度は2月からスタートします。
そのため、1月中にはどの塾に行くべきかと迷う方が多いのではないでしょうか。
この記事では、これから受験を考えている小3、小4、小5の子を持つ方に向け、合格者数からどこの塾に通わせればいいのかを決めていいのか、検討していきたいと思います。
目次
2019年学校別・塾別の都立中高一貫校合格者数 比較表
まずはこちらの表をみてください。
2019年の都立中高一貫校の合格者数が、どの塾から出ているのかをまとめてみました。
数字については、ネットから拾ったものになるので若干間違っているかもしれませんので、概算だと思ってください。
これを見る限り、都立や公立中高一貫校に合格している子は、ほぼ、塾に通っているということですね。
これで各学校の受験倍率が5倍とか6倍なので、ものすごい数の生徒が塾に通っているということになります。
enaの合格者数は信用できるのか?
この表をぱっとみて気づくことは、enaがすべての学校において合格者数占有率でNo.1を獲得しているということでしょう。
enaの公式サイトでも、各学校名前と合格者数の表示に合わせて「No.1」の文字が付けられており、No.1の実績であることを大々的にアピールしています。
さすが都立や公立中高一貫校専門塾を謳って伸びてきた進学塾、といいたいところですが、ちょっと待ってください。
まず、それぞれの塾で抱えている生徒数がどれだけなのかということがあります。
生徒数が多ければ多いほど、当然、合格者が出る確率は上がるわけなので、単純に結果の数字だけ比較するのではなく、その塾の生徒数に占める合格者数の割合で比較するのが正しいと思われます。
ただ、生徒数はどの塾も公開していないのでこれは比較のしようがありません。
とはいえ、都内で最も都立中高一貫校受検対策コースを受講している生徒を抱えている数が多い塾は、enaでしょう。
これは、enaが都立や公立中高一貫校専門の塾であるということと、校舎数の多さから判断できると思います。
なので、enaが合格者数トップなのは、単純に生徒数が多いからといえます。
また、enaの公式サイトの下の方には小さな文字でこう書かれています。
enaでは10時間以上の指導実績のある生徒のみを合格実績にカウントしています。個別enaからの合格者も含みます
この一文にあるとおり、enaでは本科生と呼ばれるいわゆる通塾していた生徒だけでなく、日曜特訓や合宿などの特別な講習のみに参加した子でも10時間を越えていたらenaの実績としてカウントしますよということなんです。
10時間っていったら、中学受験勉強トータルで考えたらごく僅かな時間だし、どうかしたら1日でも達成できてしまうくらいの授業時間。
これで「わが塾の指導の成果です」
て言われてもちょっと・・・て気がします。(実際に言われたわけではありませんが)
2つ以上の塾を活用している人がいる
次に気になるのは、小石川の数字がおかしくないですか?ということ。
合格の定員数が160名のところに195名の合格者が出ています。
これ、調べてみたところ2019年の小石川は繰上げ合格が26名もいたので、実際に合格者数は定員を超える186名でした。
それでも9名分多い数字については、先ほどのenaの実績者数のカウントの説明から想像するに、2つ以上の塾で指導を受けた経験がある子が二重に数えられているということ、でしょうね。
都立中最難関校と言われる小石川は、私立の滑り止めで受検する子も多いため、メインの塾と別に都立中高一貫対策講座だけを受ける子がいるということではないかと思います。
また、両国に強い塾として知られる早友学苑も、もしかすると私立との併願で受講している子の実績をカウントしている可能性があります。
となると、桜修館に51名も合格者を出している栄光ゼミナールも同様です。
残りの早稲アカ、サピックス、四谷大塚、日能研なども、合格者数の基準は違っているようなので、二重にカウントしているところはあるでしょう。
これは全て推測なので本当のところはわかりませんが、合格者数の多い少ないが、そのまま塾の指導力につながっているかどうかはよくわからないということになると思います。
結論まとめ
enaや栄光が用意した都立中高一貫校の対策プログラムが、受験生を持つ親から支持を得ているということは事実でしょう。
特に小石川を難関私立中学の滑り止めとして考えている親子は、一応、特殊な出題形式となる適性検査型の受検勉強をしようと思ったときに、enaや栄光の講習を受けようという人がいるんだと思います。
普通の子はその程度の勉強では対策にもならないはずですが、やはり難関私立中の滑り止めとして考えるくらいの子は、本当に10時間程度で適性検査型の対策方法を掴み、あとはメインの塾や自宅でやる、ということができてしまうのかもしれませんね。
そう考えると、塾が発表している合格者数というのは、どの塾に通塾させるかということの基準としてはほとんど気にしないでいいのかなと思います。
合格者数が多い塾が、実際に合格した子の実力アップにどれだけ貢献したかという指標にはならないということですね。
さらに言えば、通塾と受検対策は別、という考え方になると思います。
通塾させる塾をどうするのかは、もっと他の指標を使って選んだ方が良い、というのが結論ですね。
ではどうやって塾を選ぶのが良いのか?
それについてはまた別の記事で検証したいと思います。
都立中高一貫校の塾はどうやって選ぶ?7つのポイント体験談を解説! - 都立中高一貫校のはてなブログ