2018年から2024年の東京都立中高一貫校の東大受験合格実績と合格率をご紹介します。
都立中高一貫校の東大合格者数と合格率の推移を考察してみました。
目次
2018年~2024年 都立中高一貫校(九段含む)東大合格者数 合格率
※2024年3月24日現在の数字です。
※生徒数は概算です。
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都立中高一貫校と九段を合わせた11校全体での合格者数は65名で過去最高となっています。
その原動力は、なんといっても南多摩の躍進です。
南多摩がこれまでの実績を大きく上回る11名の合格で一気に2位に浮上したのがサプライズとなっていて、この躍進をけん引したのは間違いないでしょう。
昨年の記事を見ていただければわかりますが、実は私は今年の南多摩の躍進を予想しておりまして、読み通りの結果となりました。
よろしければ以下の記事をご覧ください。
さて、1位は7年連続で小石川で変わらず、合格率もトップです。
今年は、武蔵と三鷹以外の学校は全て昨年より実績を伸ばしており、都立中高一貫校全体として成果が高い年となりました。
2018年~2024年 都立中高一貫校(九段含む)東大合格率の推移
続いて、個別の学校ごとの成績比較を、合格率の推移と共に折れ線グラフで見てみます。
先ほどご紹介したとおり、南多摩が予想通りの躍進を遂げ、上位に入り、三鷹が下位に沈むという法則が今年も継続してしまいました。
武蔵は右肩下がりの傾向を抜け出すことができず、2年連続の減少となり、初の上位3校からの陥落となってしまいました。
高校募集を停止して生徒数が減っているので合格者数が減るのは当然という見方もありますが、合格率が下がっているという点が見逃せません。
一方、右肩上がりの傾向を継続しているのが両国で、今年も手堅く3位をキープし、合格者数、高額率ともに過去最高となっています。
武蔵と並んで4位に食い込んだのが、かつての上位校の常連だった桜修館、立川国際です。
桜修館は、ここ数年は下位に沈んでしまっていたのですが巻き返しに成功しています。
立川国際は、ここ数年で徐々に実績を上げてきています。
大泉と富士は合格率こそ他校と比較して高くはありませんが、今年度はいずれも過去最高の合格率となっているので、学校としての取り組みの成果は着実に上がってきていると見ることができると思います。
しかも富士は、高校募集停止した年なので、例年より生徒数がかなり減っている中での合格者数が2名から4名へと倍増しているのは快挙です。
一方、気になるのは白鴎と九段です。
白鴎は、全体的に右肩下がりの傾向が続いているためどこかで打破したいところです。九段も一時は上位3校に食い込むなど飛ぶ鳥を落とす勢いで実績を伸ばしていた時期があったものの、ここ数年は下位に沈んでおり、今年は過去最低となる最下位となってしまいました。
高校の無償化で首都圏の私立への入学への抵抗感が薄れる傾向にある中で、受験校がひしめく23区内の千代田区立である九段は優秀な生徒の確保には厳しくなることが予想されるので、今後も実績の伸びは期待できないかもしれません。
私立との競争という意味では、武蔵や桜修館も同様のディスアドバンテージを抱えている状況に思われ、今後は厳しそうです。
一方、地元で根強い人気を誇る両国は、高校無償化でも引き続き一定層の優秀な生徒が入学することが予想され、今後も安定的に実績を上げそうです。
また、南多摩や立川国際などは、都心から離れた土地ということで私立校に優秀な生徒を取られるということが起こりにくく、地域内の優秀な生徒を安定的に確保することが予想され、今後も実績を伸ばしやすい傾向にあると思われます。