2021年2月3日(水)に行われた東京都立中高一貫校の適性検査の問題分析をしてみました。
今回は共通問題の適性検査Ⅱについてを見ていきたいと思います。
適性検査Ⅱは、白鴎、両国、富士、大泉、南多摩、立川国際が共通問題を採用しています。
小石川、桜修館、武蔵、三鷹については、大問の一部を独自問題にしています。
目次
適性検査Ⅱ 出題概要
出題形式に変更はなく、大問1が算数、大問2が社会、大問3が理科という構成でした。
しかし、大きな変更点として、大問1、大問2、大問3、いずれも小問の数が3問から2問へ減っていました。
1問に対する得点の比重が高くなったことで、より注意が必要になったということになりますね。
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適性検査Ⅱ 問題分析
大問1 算数
それでは、問題を分析していきます。
小問1は、九九の答えが書かれた表を使って、ある法則を見つけ出すという問題です。単純に法則を見つけるというだけでなく、どうしてそのように考えるのかを文字にして説明するという力が必要になる問題でした。
小問2は、昨年と同様、サイコロを使った問題でした。
小問1で使った九九の表と連動しており、法則性と、空間図形の能力が同時に問われた問題です。
問題数が減ったことで、小問2は手間のかかる問題となっており、難易度は例年より上がっていたといえるかと思います。
大問2 社会
今年の大問2は林業についての問題でした。昨年は身近なバスについての問題でしたが、今年は固いテーマとなっています。ただ、近年の流行であるSDGsを意識した内容になっていて、予想が当たったという人もいたかもしれませんね。
まず小問1は、木材の持続的な利用について、文章と図から回答するという問題。
そして小問2は、複数の資料の中から自分が選択した資料を使って、それぞれの関連性を説明するという問題でした。
塾などで資料問題に慣れている受験生であれば、ある程度答えを先に考えて資料を読み取ることができた問題ではないかと思われ、大問2は短時間で終わらせてしまえていると、大問1と大問3に時間をかけられるという感じでした。
大問3 理科
今年のテーマは「磁石」と「重さ」でした。
小問1が磁石、小問2が重さについての問題でしたが、ともに図と実験で与えられた条件を読み取り、答えを導き出すという問題で、形式は例年通りでした。
というわけで、適性検査Ⅱについては、傾向が少し変わって難易度が高く感じられたかもしれません。
本番の緊張と時間制限の中で焦ってしまい、小問を1つ飛ばしたけど、後で解きなおしてみたら意外に解けていた、という子も多いかもしれませんね。