2022年2月3日(木)に行われた東京都立中高一貫校の適性検査の問題分析をしてみました。
今回は共通問題の適性検査Ⅱについてを見ていきたいと思います。
適性検査Ⅱは、白鴎、両国、富士、大泉、南多摩、立川国際が共通問題を採用しています。
小石川、桜修館、武蔵、三鷹については、大問の一部を独自問題にしています。
目次
2022年 都立中 適性検査Ⅱ 出題概要
出題形式に変更はなく、大問1が算数、大問2が社会、大問3が理科という構成でした。
問題数は大問1、大問2がいずれも小問2問というのは昨年と変わらず、大問3のみ小問2問が2つに分かれて解答となるとなっており実質4問の形式となっていました。
2022年 都立中 適性検査Ⅱ 問題分析
大問1 算数
それでは、問題を分析していきます。
小問1は指定された素材を使って様々な形を作ったとき、何が何個できるのかを答える問題でした。
1本のモールを使って、直角三角形、正三角形、円がそれぞれ何個できるのかを答える問いについては、単なる計算ではなく、考え方を文章で記述する必要があるため、作業の効率性が求められる問題でした。
小問2は、3年連続の立体物の回転を扱った問題でした。
こちらは試行錯誤して解答を導き出す必要がありますが、解答については記述ではありませんでした。
なので部分点がなく、時間をかけて正解までたどり着けたかつけなかったかで勝負の分かれ目になった難問だったと思います。
大問2 社会
今年の大問2は地域の気候に合った魚の保存方法や穀物の栽培についての問題でした。
各地で行われている保存方法や栽培が、その地域の気候とどのように対応しているのかを記述するという内容は、社会教科の受験問題ではよくあるタイプの問題だと言えると思います。
どちらも難易度はそれほど高くなく短時間で解き切りたい問題だと思います。
大問3 理科
今年のテーマは「汚れの落ち方」でした。
小問1は、2つの実験の結果から、石鹸と洗剤で汚れの落ち方がどのように変わっているのかを読み取り、最も汚れを落とすと考えられる選択肢がどれなのかを記述させる問題です。
小問2は、(2)の問題の説明文を読むのに苦労した子が多いと思います。
問い自体はそんなに難しい内容ではないので、じっくり読めば解ける問題です。ただし時間との勝負なので、長い説明文を短時間で読み、概要を簡単に頭の中で整理する力が求められました。
ここ数年、理科分野でこのような「長文読解」タイプの問題が見られるようになってきたので、それを見越して解き方のテクニックを身に着けていた子と、そうでない子でかなり正答率に差が出てしまったのではないでしょうか。
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2022年 都立中 適性検査Ⅱ 問題分析まとめ評価
というわけで、適性検査Ⅱについては、問題自体の難易度は変わっていませんが、「時間との闘い」という傾向が強くなってきた気がします。
何を聞かれているのかよくわからない、時間がない、ということで「難しい」と感じた子が多かったと思います。
これを「問題が悪い」と言ってしまうと元も子もないので、「相手からの分かりにくい問いかけに対しても、自ら相手の問いの主旨を正確に読み取り、相手が求める正しい答えを客観的に記述する」ということが、都立中の適性検査には必要な能力なのだと理解するしかないと思います。
適性検査Ⅰについては以下の記事をご覧ください。