2022年の東京都立小石川中等教育学校の適性検査の問題分析を行いました。
小石川中は、適性検査Ⅱの大問2と、適性検査Ⅲが独自問題なので、こちらについて詳しく見ていきたいと思います。
目次
2022年 小石川中 適性検査Ⅱ 問題分析
大問2は社会系の問題で、会話文と5つの資料をもとに「交通手段と経済、地域の関係」を考える問題でした。
問1の小問1、国民総所得の数値が何倍になっているか、小数第2位を四捨五入した小数第1 位までの数値を求めさせる問題でした。
例年、9ケタの割り算が出題されていたことを考えると、易化したと思われます。
小問2は、折れ線グラフを作図させる問題。
小問3は、3つの地域から1つの地域を選択し、小問2で作ったグラフと資料2,4をふまえて、どのような特徴があるのか、他の地域との比較を踏まえて考えを書かせる問題でした。
問2は、バスの便数と地域の様子についての問題で、一つの資料だけを使って、という制限がつけられた問題でした。
資料から読み取れる内容について、自分がそう考える理由と、それが正しいかどうかを確かめる方法として、何を調べた資料があり、かつ、そこからどのようなことが分かれば自分の考えが正しいことを立証できるか、を答えさせる問題でした。
問3は、交通の発達によって生まれる課題を考えたうえで、その解決策について150字以内で具体的に述べさせる問題でした。
基礎的な計算問題、作図問題については全問正解が必須です。
記述問題についてやや難しい問題なので2問中1問は正解したいところです。
2022年 小石川中 適性検査Ⅲ 問題分析
例年同様、大問2問構成で、大問1が理科、大問2が算数でした。
大問1は、「飛ぶ」をテーマにした問題です。
問1は、かもめが飛ぶ際の翼の広げ方について、会話文と図が示された上で、その理由を答えさせる問題でした。
問2は、蝶の飛び方についての会話文と図から、その飛び方の特徴、羽の特徴、2種類の蝶の飛び方を比較しながら一方の飛び方の利点を答えさせるという問題でした。
問3は、タンポポの種の飛び方について調べる実験について、実験の際に注意する点、種が飛ぶ距離に違いが出る理由と、それを確かめるために行う実験としてどのようなものが考えられるのか、そしてその結果がどのようなものになると考えられるのかを答えさせる問題でした。
理科系の問題は知識を持っている子が有利です。
今回は、問3が、動物の飛行や種の飛散についての知識が豊富な子がかなり有利だったのではないかと思われます。
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大問2は、立体図形をテーマとした問題です。
問1は、方眼紙を指定の通り折ってできる立体図形の体積を求める問題でした。
問2は、折り方、切り方を変化させた場合に、2段の立体図形を作ることができるかどうかを答えさせたうえで、できる場合はその体積を、できない場合はなぜできないのかの理由を答えさせる問題でした。
問3は、茶筒を箱に入れて梱包する際のスリーブ(箱の中で筒が動かないように固定するための紙の仕切り)を使った問題でした。
問1から問3まで、どれもそれなりに骨のある問題だったと思います。
問1は正解しておきたいところですが、この問題に時間をかけると残り2問を解く時間が足らなくなってしまいます。
ただ、残りの2問はどちらも結構な難問です。
問3については、茶筒と接している部分のスリーブのについての説明文から、折れ線の長さや、空間の体積を求めさせる問題でしたが、非常に難解な文章と簡単な図しか与えられておらず、正直、私も条件がまったく理解できない難問でした。
45分という時間を考えると、問3は完全にスルーして問2を解く、という選択をしたかどうかが合否を分けたのではないでしょうか。
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