東京都などの公立中高一貫校の受検では、適性検査の点数だけでなく、報告書点(内申点)の点数も含めた総合点で合否が判定されます。
報告書点は、学期末に小学校からもらってくる「あゆみ」の成績によって決まります。
「あゆみ」の成績から換算される報告書点は、都立中高一貫校で一律ではなく、学校ごとに違っています。
では、あゆみの成績が良いと受かりやすい学校はどこなのでしょうか。
逆に、あゆみの成績が良くても受かりやすいとは限らない学校はどこなのか。
調べてみました。
目次
あゆみの成績が良いと受かりやすい学校
ズバリ、富士中です。
あゆみの成績がオール「よくできる/優/3」を取れていた場合に最も合格の可能性が高まると期待できるのは、富士中となります。
理由としては、以下の2点です。
①総合点における報告書点の割合が高い
まず、適性検査と報告書点を合計した総合点における報告書点の割合が、富士は30%あります。
これは東京都の公立中高一貫校11校中、最も高い率となっています。
ちなみに報告書点の割合を30%に設定しているのは、富士と桜修館の2校のみです。
②「よくできる/優/3」と「できる/良/2」の差が大きい
2点目は、あゆみの3段階評価のうち、最も良い評価「よくできる/優/3」を取った場合と、3段階評価の真ん中の評価「できる/良/2」を取った場合での、報告書点の点数差が大きいということがあげられます。
学校によっては、「よくできる/優/3」でも「できる/良/2」でも、そこまで大きな点数差がない学校もあります。
そんな学校もある中で、富士は、東京都の公立中高一貫校11校の中で2番目にその差が大きくなってしまう学校となっています。
点数差の詳細については、以下の記事で説明していますので時間があれば読んでいただければと思います。
【2022年度版】東京都公立中高一貫校11校の内申点は適性検査の得点に換算したらどうなるのか。
①②の結果を総合したところ、富士が最もあゆみの成績が良いと受かりやすい学校だといえると思います。
あゆみの成績が良くても受かりにくい学校
受かりにくい、と書きましたが、正確には「受かりやすいとは言えない」という言い方になるでしょうか。
これはずばり、小石川中です。
理由は、さきほど富士で説明した①②の内容の裏返しになります。
①の総合点における報告書点の割合は、小石川は25%ですので、20%という学校もたくさんあるのでそこまで悪くない数字です。
しかし②の「よくできる/優/3」と「できる/良/2」の差、については、ダントツと言っていいほど差が小さく、万が一、「よくできる」が取れずに「できる」となった教科が複数個あったとしても、オール「よくできる」が取れていた場合と比較して大きなハンディとはなりません。
つまり、あゆみの成績が良くても、適性検査の点数が悪ければ、簡単に逆転を許してしまう余地があるということになります。
富士の場合でも、あゆみがオールよくできるだったからといって安泰というわけでは決してありません。
ただし、小石川と比べれば雲泥の差で、あゆみの成績が良ければ受かりやすくなると言えます。