東京都の公立中高一貫校の受検を考え始めたときの疑問や気になること、知っておきたいメリットやデメリットについてまとめてみました。
都立中高一貫校を受検するメリット、デメリットは?
学校ごとの特徴は?
適性検査ってどんな問題なの?
などなど、東京都の公立中高一貫校を受検するなら必ず押さえておきたいポイントを厳選してお伝えします。
目次
- 東京都の公立中高一貫校の受検資格
- 東京都の公立中高一貫校に向いている子
- 東京都の公立中高一貫校の学費
- 東京都の公立中高一貫校の授業・校風
- 東京都の公立中高一貫校の国立大学合格実績
- 東京都の公立中高一貫校11校の特徴
- 東京都の公立中高一貫校の適性検査(試験方法)
- 東京都の公立中高一貫校の報告書(内申点)
- 東京都の公立中高一貫校の倍率
- 東京都の公立中高一貫校の受検スケジュール
- 東京都の公立中高一貫校のまとめ
東京都の公立中高一貫校の受検資格
東京都の公立中高一貫校を受検するための資格は一つです。
東京都立の学校が10校、千代田区立の学校が1校の全11校ありますが、いずれも東京都に住んでいれば受検することは可能です。
ただし、自宅から学校の所在地まで遠すぎる場合は、現実的に通うことが困難なため、受検校から除外されることになるでしょうか、まずは自宅から通える学校がどこなのかチェックしましょう。
東京都の公立中高一貫校に向いている子
東京都の公立中高一貫校に向いている子どもというのは、11校すべてに共通しています。
東京都教育委員会のホームページには、東京都の公立中高一貫校の目的として以下のように記載されています。
6年間の一貫教育の中で、社会の様々な場面、分野において人々の信頼を得て、将来のリーダーとなり得る人材を育成することを目的とする学校です。
都立中高一貫校に向いている子というのは一言で言えば、リーダーの資質がある子、ということになるんですね。
小学校のクラスで係や委員会を引っ張っている子だったり、クラスのまとめ役を任されたりすることが多い子が向いているということです。
東京都の公立中高一貫校の学費
都立中高一貫校は、公立中学校と同じ程度の学費で、私立レベルの教育を受けられるということがメリットの一つとして考えられています。
ただし、普通の公立中学校よりは教材費や研修旅行費など多めにかかってきます。
3年間の学費は、およそ70万~90万で、公立中学校と比べると10万~20万ほど高いようです。
私立の学校はピンキリなので一概には言えませんが、私立に通う場合と比較してみたので、こちらの記事も参考にしてみてください。
東京都の公立中高一貫校の授業・校風
中高一貫校のメリットの一つとして、6年間を通した授業計画による、実質的な先取り教育が受けられる、という点があります。
先取り学習の効果が大きい教科としては、数学と英語です。
数学は、一般の公立中学校とは教科書から違っており、私立の中高一貫校でも使用しているものと同じ教科書を使ったりしているようです。
中学時点で高校の分野を教えてくれるので、効率的に学習することができます。
英語については、学校ごとに違いがあるもののオールイングリッシュやALTの先生が複数人常駐させるなどの施策を行っているところが多く、中学卒業時点で英検2級に合格することができるようなカリキュラムになっています。
そのあたり詳しくは以下の記事で紹介しています。
東京都の公立中高一貫校の国立大学合格実績
東京都の公立中高一貫校に入学すれば、かなりの確率で国公立大学に合格できます。
合格者数もここ5年間は右肩上がりで増え続けており、全11校の都立中高一貫校生で700名を超えています。
これは、都立中高一貫校全生徒数の35%ほどとなっています。
小石川や武蔵といった上位校になると50%を超えているところもあります。
また、東大や京大といった難関国公立大学への合格実績も着実に伸びています。
大学合格実績についての考察レポートの詳細は以下の記事にまとめています。
東京都の公立中高一貫校11校の特徴
東京都の公立中高一貫校は全部で11校ありますが、大別して、高校の付属中学なのか、中等教育学校かという2種類に分けることができます。
付属中学と中等教育学校の違いについては、受検生にとってはあまり気にしなくてもいいことなので説明は割愛します。
気にすべきなのは、11校それぞれがどのような特徴のある学校なのかということです。
各学校の特徴については個別の記事でまとめていますので参考にしてください。
東京都の公立中高一貫校の適性検査(試験方法)
東京都の公立中高一貫校は、受験ではなく適性検査という試験によって合否が決まります。
都立中高一貫校の適性検査は、大きく分けて2パターンあります。
適性検査ⅠとⅡの2科目パターンと、適性検査Ⅲまでの3科目パターンです。
適性検査Ⅰは、国語の問題で、文章読解問題と作文が出題されます。
適性検査Ⅱは、国語、算数、理科、社会の教科を横断した総合型の問題が出題されます。
適性検査Ⅲは、主に理科と算数を中心とした理系の総合的な問題が出題されます。
適性検査の問題は、都立中高一貫校が同じ問題を出題する共通問題と、学校独自の問題を用意する独自問題があります。
学校ごとの独自問題と共通問題の組み合わせ、問題の特徴などを以下の記事にまとめましたので詳しく知りたい方は参考にしてください。
東京都の公立中高一貫校の報告書(内申点)
合否の結果は、適性検査の点数だけでなく、小学校からの報告書(内申点、あゆみ)の点数も含めて判断されます。
報告書の点数は5年生、6年生の2年間の合計点で決定されます。(九段のみ4年生から)
報告書の点数が良ければ、適性検査の点数が悪かった時のサポートになりますし、逆に報告書の点数が悪い場合は、適性検査で点数を稼がなければならないということです。
報告書の点数と適性検査の点数の割合は、学校ごとに異なるため、受検校の報告書の点数(内申点)がどれくらいの割合なのかをチェックしておきましょう。
東京都の公立中高一貫校の倍率
都立中高一貫校を受検する場合のデメリットとも言えるのが倍率の高さです。
東京都の公立中高一貫校全11校の2021年の平均倍率は、4.61倍となっており、私立の中学や高校受験からすると驚くほど高い倍率となっています。
2015年時点では平均でも6倍を超えていましたし、最高値では10倍を超えるところもあったので、それからするとやや落ち着いては来ましたが、それでも受かる子の方が圧倒的に少ないというのが現実です。
都立中高一貫校は私立と違ってたった1校しか受検できないので、1発勝負でだめなら諦めるしかない、というシビアな世界です。
倍率についての詳細はこちらの記事で詳細なデータを取っていますので興味のある方はご覧ください。
東京都の公立中高一貫校の受検スケジュール
都立中高一貫校の受検は、毎年2月3日と決まっています。
これは、一発勝負の都立中に落ちた時でも2月1日や2日の受験日が多い私立との併願が可能なように配慮されているからだそうです。
2月の受験に向けて、11月から願書の配布、年明けに願書提出というスケジュールが大きなイベントなので押さえておかないといけません。
6年生になると受検勉強で忙しくなるので、学校公開などは5年生のうちに行っておくことをおすすめします。
受験までのスケジュールは下記の記事で詳しくまとめています。
東京都の公立中高一貫校のまとめ
東京都の公立中高一貫校のアレコレについてまとめてみました。
すべてお読みいただいた方、お疲れさまでした。
大変だったとは思いますが、これで都立中高一貫校受検の知識は十分揃ったと思うので、これを基礎知識としてこれからの受検生活にお役立てください。