2024年度(令和6年度)の都立中高一貫校受検にあたり、内申点の配点割合から合格可能性を考えたいと思います。
今回は、東京都立富士高等学校附属中学校について考えてみたいと思います。
都立中受検の内申点は年度により見直しが行われますが、2024年度(令和6年度)の富士の内申点は例年通りの割合、配点となっています。
目次
都立富士の内申点の割合
得点 | 適性検査Ⅰ | 適性検査Ⅱ | 適性検査Ⅲ | 内申点 | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|
素点 | 100点 | 100点 | 100点 | 450点 | ー |
換算点 | 200点 | 200点 | 300点 | 300点 | 1000点 |
2024年度(令和6年度)の富士の内申点の配点は上記の通りです。
1000点満点中300点、割合としては30%ということになります。
適性検査が70%なので、内申点の30%という割合は合否の決定要因としてあまり高くないのでは?と思われるかもしれませんが、そうでもありません。
都立中の適性検査は6割~7割を取れれば合格するのではないかと言われているため、700点満点中、実質的に420点~490点が適性検査の合格ライン配点と考えられます。
そうなると、内申点の配点300点というのは、かなり合否に影響を与える割合だと考えられるのではないかと思います。
都立富士の内申点の配点
5年内申点 | 6年内申点 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
3(優) | 2(良) | 1(可) | 3(優) | 2(良) | 1(可) | |
国語 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
算数 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
理科 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
社会 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
音楽 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
図画工作 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
家庭 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
体育 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
外国語 | 25 | 15 | 5 | 25 | 15 | 5 |
9教科合計配点 | 225 | 225 | ||||
5,6年合計配点 | 450 |
2024年度(令和6年度)の富士の内申点の配点は上記の通りです。
5年生、6年生の各教科での配点に違いはなく、9教科合計で225点ずつとなっています。
また、9教科の中で配点に違いはありません。
以前は5年生を200点、6年生を225点としていましたが、5年生も225点に引き上げています。
これはおそらく、内申点が持つ「常に学ぶ意欲を持っている子かどうか」という性質に今まで以上に注視し、受検学年以外でもそのような意欲ある行動をとれているのかどうかもしっかりと見て判断したいという意図ではないかと思われます。
また、優=25点と、良=15点、という配点具合は、優を取った場合と良を取った場合で1.6倍の差となっています。
これは、九段含む都立中高一貫校全11校の中ではかなり大きい差をつけている方に入るので、やはり内申点が高い生徒に有利になるような受検になっていると言えそうです。
都立富士の特徴
都立富士の特徴として、内申点の割合が高いうえ、内申点の優と良の差も大きいため、合否の決定要因として内申点の占める割合はかなり大きいという特徴があります。
また、令和2年まで適性検査Ⅲの受検時間は30分でしたが、45分に拡大されています。
適性検査Ⅲの割合は30%なので、適性検査Ⅰの20%も高くなっており、明らかに以前より理数系の能力が高い子に有利な受検にシフトしています。
これは、富士が令和3年から文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)となっており、理数系に重点を置いた学校となっているからだと思われます。
このようなことから、内申点の割合が高く、理数系が得意な子にとっては、かなり有利な受検となるのではないかと思われます。
さらに富士は、かつては高校の募集も行っていましたが、それも廃止して中学からの募集定員を増加させました。
そのため、以前よりも少しですが合格枠が広がっていることも朗報だと思います。