2021年度(令和3年度)の中学校、高等学校の入試について、文部科学省から各都道府県教育委員会に対して、コロナ感染症による緊急事態宣言での対応により、受験者間に格差が出ないよう配慮するように、という通知が出されました。
2020年5月13日に文部科学省のホームページにアップされた情報によると、配慮されるべき事項としては、以下の5点となります。
目次
1.部活動、検定試験の成績について
新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、かなりの数のスポーツ大会や検定試験が中止、または延期されてしまったことを受けての対応です。
学校によっては、そういったイベントで一定以上の成績を残していることが受験の資格や合格の基準となっている場合がありますが、今回に限っては、それらの成績を基準を一から見直し、他のイベントでの成績などで判断するように柔軟に対応してほしい、という内容になっています。
2.調査書について
入試の際に、中学から高校などへ提出される調査書に記載される内容の評価についてです。
調査書には出席日数や部活動の記録などの他、さまざまな情報が記載されることになりますが、そもそも学校が休校していた期間が長かったり、突然のリモート学習などで、教師が生徒の実態を上手く把握することができない事態が想定されます。
その際に、学校ごとに記載事項の内容に極端に差が出ることが想定されるため、記載された量が少ないからといって低い評価をつけることが無いように配慮してほしい、という内容になっています。
3.入試出題範囲について
入学試験で、各教科における出題範囲が授業内容に則したものになっているかどうか、ということについてです。
これについては、具体例が示されています。それによると、
・中学校第3学年からの出題は、地域における中学校等の学習状況を踏まえ、適切な範囲や内容となるよう設定する。
・ 地域における中学校等の学習状況を踏まえ、問題を選択できる出題方法とする。
・ 臨時休業が長期化している都道府県の中学校等に在籍する入学志願者が、臨時休業が長期化しなかった都道府県の高等学校入学者選抜等を受検する場合、面接や作文等の学力検査以外の方法も用いて選考を行う。
ということが挙げられています。
4.進路指導について
各中学校等において進路指導がおろそかにならないよう注意して、生徒に対して志願先の高等学校等での入試の内容が伝達されるように努力してほしいという内容です。
5.中学入試について
上記1から4までの内容については、高校入試のみではなく、中学入試においても同様に配慮が必要なので、その点も考慮してほしいという内容です。
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まとめ
以上、5つが文部科学省の指針として示されましたが、どこまで配慮されるのかはまだまったくわかりません。
というのも、いずれも実行自体は各都道府県教育委員会、さらには各学校ということになるからです。
今回は指針が示されただけで、具体的な実効策が見えないというのもあります。
また、9月入学案についてもどうなるのか見えない中では、これらの配慮事項についても、できる限り努力する、という程度しか返答できないのが現状でしょう。
全国的に緊急事態宣言が解除されたとはいえ、また事態が暗転するようであれば再び宣言発令ということにもなるため、まだまだこの先の道筋が示されるまでには時間がかかりそうです。
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