中学受験を題材にしたドラマ「二月の勝者」第8話の受験関連データ、黒木蔵人の教え、感想をまとめました。
第8話では、開成が低所得世帯向け奨学金を導入していることについて言及されていました。
今回はその理由についても考えてみたいと思います。
※ あらすじを書くわけではありませんが、多少のネタバレを含んでいます。
また、原作漫画を読んでいないので先の展開を知らずに好き勝手書いています。感想に含まれる展開予想などがネタバレになってしまうこともあると思うので、ネタバレを読みたくない方はお戻りください。
目次
ドラマ「二月の勝者」第8話 受験関連データ
・留学を支援する海外協定大学推薦制度を設けているという学校もある。
・学校説明会で出題のヒントを出す学校もある。
・第一志望の受験生を優遇する制度を設けている学校がある。
・開成中には特殊な奨学金制度がある。
ドラマ「二月の勝者」第8話 黒木蔵人の教え
・スポーツ推薦枠がある学校での部活動は一般枠からレギュラーになれない可能性を考える必要がある。
・2月1日午前は本人の志望校、午後は偏差値的に確実な併願校、翌日以降に憧れ校を受験するという受験計画をたてる。
・子供に合った学校というのは偏差値だけではなく過去問を読み解くことで見えてくるものがある。
・ここ数年の出題傾向を分析して「ヤマ」を張ることで10点のプラスを目指す。
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ドラマ「二月の勝者」第8話 感想まとめ
開成中だけ名前がそのまま使われているのはなぜなのかよくわかりませんが、今回は、その開成中の奨学金制度について触れられていて、気になったので調べてみました。
東大への合格実績が高い開成中では、2020年から授業料免除の「開成会道灌山奨学金制度」を設けています。
この制度は黒木先生が言っていたように「年間所得218万円以下、または給与収入のみの場合収入額400万円以下の世帯の子弟」が対象で、入試での成績の順位や点数は基準ではありません。
ただし、「受験前の11月に個別面談を受けなければならない」ということと、「合格したら必ず開成中学に入学する意思を示す」ことが条件です。
これはつまり、経済的に余裕がないが優秀な島津くんのような子を、受験前に囲い込もうという制度なのです。
このような制度は、一般的には中堅校が優秀な生徒を囲い込むために取り入れる制度だと言われていますが、なぜ中学受験トップ校である開成がこのような制度を始めたのでしょうか。
その理由がどうやら受験の課金ゲーム化と密接につながっているようです。
開成は、これまで地頭がよく自学自習で勉強できる生徒を集めて東大を目指す教育を行ってきました。
そのため、学校側には自学自習タイプの生徒を指導するノウハウ以外はあまりなかったようです。
しかし、昨今、受験が課金ゲームと呼ばれるほどに親がお金をだすことで、塾や個別指導による良質な受験テクニックを徹底的に叩き込まれた生徒がたくさん入学してきたことで、勉強は丁寧に教えてもらって理解するものというのが当たり前だと思っている生徒が増えてしまいました。
そういった生徒の学力を伸ばすノウハウをもっていない開成は、このままではビジネスモデルが破綻してしまう可能性があるという危機感を覚えているのです。
そして、今回の奨学金制度により、課金の力を借りずに従来のような自学自習をして苦労して勉強してきたであろう生徒を確保しようとしているということだと言われています。
この考え方でいくと、ドラマで金子貴俊さんが話していたように「受験はもっと苦しいものだ」というのは、課金ゲームではなく自学自習によって学力は高めるべきだという考えを持っていて、開成にはそういった生徒を伸ばすノウハウがある学校だということを見極めたうえで第一志望に選んでいたという可能性がありますね。
一方、妻の遠藤久美子さんは「父親が勝手に選んだ学校だから辞めてもいい」という主旨の発言をしており、そのあたりの認識はなかったようですが、島津君にあまり無理をさせたくないという気持ちが強かったように思います。
夫は子どもへの接し方について、妻は子どもの将来について、それぞれ互いの意見を話し合う場を設けて受験方針について同じ意識を持てればよかったのかなと思います。